2013-01-01から1年間の記事一覧

中原浩大 自己模倣

自分にとっての「中原浩大」の「出現」は、自分にとっての「谷岡ヤスジ」の「出現」と同じだった。「中原浩大」が「谷岡ヤスジ」と同じだと言っている訳では無い。それらの自分への「出現」の「意味」が同じなのだ。 そう思って改めて「谷岡ヤスジ」氏を調べ…

「人間と物質」展再展示計画

2013年の12月も28日という押し詰まりも良いところの東京の街に、斯くも多くの人がいるとは結構意想外だった。この「シンポジウム」に参加して来た。4時起きの日の18時は眠たかった。 「『人間と物質』展再展示計画」 基礎芸術が進める「再展示ドットコム」(…

反重力

名古屋鉄道豊田市駅の改札を出ると、愛知環状鉄道新豊田駅に向かうペデストリアンデッキ上にある松坂屋豊田店のスターバックスが、極めて魅力的な存在に見えた。鉄路で揺られ続けた心身は、電車の椅子とは別の椅子を欲していた。そこに熱いコーヒーがあれば…

掲示

〈序〉 ここから東京駅に行くには、どういうルートが良いだろうと思案した。有楽町駅まで歩いて JR線で一駅行くか、営団丸ノ内線の銀座駅から一駅行くか。結局歩く距離を少しでも短いものとする為に地下鉄を使用する事にした。三原橋近くまで拡張増床された…

MOBILIS IN MOBILI -交錯する現在- 東京巡回展

【承前】 〈序〉 しかしここで問題としたいのは、あの直線的な手法の担っている様式的な意義なのである。百済観音は確かにこの鋼の線条のような直線と、鋼の薄板を彎曲させたような、硬く鋭い曲線とによって貫かれている。そこには簡素と明晰とがある。同時…

目の端

CRT(陰極線管≒ブラウン管)技術がピークに達した2001年登場の Windows XP は、スクリーンセーバー「オン」がデフォルト設定になっている。一定時間ユーザによる入力が行われなかった場合、画面はブラックアウトし、"Windows XP" の文字と窓アイコンが、画面…

北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI-交錯する現在-

ネモ船長が図書室のわたしたちが入ってきたドアの向かい側のドアをあけると、そこは豪華な照明付きの広々としたサロンだった。 サロンは角を切り落とした大きい四辺形の部屋で、幅六メートル、奥行きは一〇メートル、天井は五メートルはあったろう。繊細なア…

関西

終了したばかりの過去のドラマから引く。因みに先週土曜日(2013年9月28日)までの懸念材料であった「あまロス(あまちゃんロス症候群)」等と呼ばれていたもののほぼ全ては、早晩時間が解決してくれるだろう。 (黒川)お客さん あの ゼロが1個多いんです…

絵画という不思議

Shapeways 3D Printing & the Culture of Creativity from Shapeways on Vimeo. 「フィギュア(模型)」の話である。「美術作品」の話では無い。 フランク・ステラ氏(77才)作品のフィギュアを 3Dプリンタで作るとする。座標系のデータさえ揃えば、半世紀以…

子育てと美術 展

「ロック・アーティスト」という存在は、その生き様を見られてしまう役どころを持たせられたりもする。私生活は適度以上に破綻している方が好まれる。全く勝手な話である。但しその生き様に関心を持たれるのは所謂「メジャー」どころに限られる。ネット通販…

引込線

両親の墓参りを済ませ、そこから歩いて「引込線」展(第三回展)が行われている「旧所沢市立第2学校給食センター」に行った。平成21年(2009年)3月を以って市内下富の「所沢市立第3学校給食センター」との統合によって廃場となった後、建物のごく一部が「防…

ラッセンとは何だったのか?

「というアート」というキーワードで Google 検索してみた。幾つかを飛ばしつつヒット順に書き出してみる。 「完璧なシェービングというアート」「ホスピタリティというアート」「ニセ広告というアート」「人生というアート」「ストールというアート」「カン…

妄想「パシフィック・リム」

【承前】 ネットで "Pacific Rim"(movie)を調べた。カタカナの「パシフィック・リム」ではなく英語のそれだ。"Cool Japan" が本当であれば、英語圏のサイトには "cool" の言葉が乱れ飛んでいても良い筈だが、実際には "silly" "stupid" "ridiculous" "unwi…

妄想「風立ちぬ」

【承前】 プラモデル雑誌「月刊 Model Graphix」2009年4月号から2010年1月号に掲載(2009年10月号休載)された「原作」の漫画のタイトルに「妄想カムバック」とある様に、劇場アニメ化された「風立ちぬ」もまた紛れも無く「妄想」であり、従って広く共有され…

実物大

【序】 昭和64年(1989年)1月7日朝。「工場」のAMラジオから流れる荘重な音楽と、押し殺したようなアナウンスを聞きながら、自分は「兵器」の製造に追われていた。 昼休みに改めてテレビを点けると、何ヶ月も前からそのパッケージが完成していたと思しき「…

墓は語るか

【承前】 少しだけ半径を狭めてもグルグルと。 - 展覧会は、当面、一種の「異界」ではあるだろう。当面、人はそこに、日常とは「異なるもの」を求めに行く。仮にそこにあるものが日常的なもののみで構成されていたとしても、それでもそれが「異なるもの」と…

墓は語るか【序】

【序】 展覧会の周囲をグルグルと巡る。 - 国木田独歩の「武蔵野」の冒頭はこう始まっている。 「武蔵野の俤(おもかげ)は今わずかに入間(いるま)郡に残れり」と自分は文政年間にできた地図で見たことがある。そしてその地図に入間郡「小手指原(こてさし…

報告会

京都市営地下鉄烏丸線の今出川で降車し、出口1を上がって行くと、いきなり脳内にブラームスの「大学祝典序曲」が流れ、古い「螢雪時代」の表紙が浮かんで来た。一帯は煉瓦だらけである。自分の大学生活には全く縁の無かった風景に戸惑うと同時に、少々気が滅…

空想の建築

会期自体1ヶ月半前に終了し、観覧してからも随分と経過してしまった展覧会を「巡って」書く。決して展覧会に「対して」では無いが、「対して」とクロスする箇所があるかもしれない。時期を逸しているのは承知の上だが、時期を問う展覧会でも無さそうなので、…

「本の梯子」「慈雨 百合 粒子」「秘密の湖」

休憩ヲ為サシムルニハ左ノ號令を下ス 「休メ」 此號令ニテ生徒ハ姿勢ト動カザルトニ意ヲ留ムルコト無ク片足ヲ舊位二置キ其場二立チテ休息ス 「休メ」ノ號令アルトキノ外随意二動クヲ得ズ又休憩中ト雖談話シ或ハ猥リニ位置ヲ離ルルコトヲ禁ズ 注意 休憩は遊戯…

ハルトシュラ

散らかったままに。 - 大阪ミナミの西南端、阪神高速1号環状線と15号境線の分岐という巨大構造物で、心理的に繁華街がすっかり切断されてしまった位置にあるそのビルの前に行くと、白い筐体にシルバーの水玉が全面に施された自動販売機があった。上部には半…

ホームビデオ

【承前】 自分が生まれた家でこれを書き始めた。この家には自分以外誰もいない。 家からそのギャラリーまでは歩いて15分。随分とあの辺りも変わった。そこに至るまでの町並みも変わった。自分の記憶の古いレイヤーですら、大部分が直近の風景で塗り潰されて…

声を剥がす

【承前】 Mes enfants, c'est la dernière fois que je vous fais la classe. L'ordre est venu de Berlin de ne plus enseigner que l'allemand dans les écoles de l'Alsace et de la Lorraine... みなさん、わたしが授業をするのは、これが最後です。アル…

受賞

【幕間】 4月22日。「武蔵野美術大学美術館 図書館」で「平成24年度卒業制作・修了制作優秀作品展」を見ての帰り、職場に向かう車中のカーラジオをTBSラジオにチューニングした。鷹の台を出て30分程経過したところで、「永六輔の誰かとどこかで」が始まった…

この菜 夏飲も 児

【承前】 英語圏で最も親しまれている「文章」の一つに、19世紀生まれの "The quick brown fox jumps over the lazy dog" がある。「敏捷な褐色の狐は、怠惰な犬を飛び越える」という「内容」に、広く人口に膾炙(共有)されるに足る程の諺言的な「意味」は…

〈声〉

【序】 このところ「言葉」を巡る幾つかの作品を見た。その多くは、それが帰属する「場所」を含む、「言葉」の「質量」を問うものであった様に思われた。当然「質量」は「時間」と「空間」に依存する。そして「言葉」の「質量」は、「重力」にも大いに関わり…

不意打ち

行くべき!21時までなので先に行くべし!@kachifu: 六本木のアートナイトに来る人はTIME & STYLE ミッドタウンで開催中の高柳恵里展にも行くべき行くべき。" https://twitter.com/mtomii/status/315418929268944896 - この度、TIME & STYLE MIDTOWN では、…

【承前】 馬喰町から上野へ。地形的には、馬喰町から小高い上野の山が見える筈だ。しかしそこから上野の山は見えない。Google Earth は、建物の記憶を地表に残したままそれを見せてくれた。 - 「VOCA展 2013」に行った。それからまた地下鉄を乗り継いで、竹…

器用仕事(訳)

【枕】 「【続く】」と書いてから、1週間以上経ってしまった。この間に「エイプリルフール」があったりもした。その中には、将来「リスクマネジメント」の教科書に、嘗て存在した乳飲料メーカーの様に、「典型的な失敗例」として永く語り継がれそうな「媒体…

西畫

一 西畫は蝋油を以て膠に換、故に水に入りても損ぜず。世俗之を油畫と云ふ。畫法は我日本にても往々模製する者ありといへども、其眞を得ざる者多し 一 西洋の畫法は理を究めたれば、之を望み見る者、容易に見るべからず。望視るの法あり。故にや彼國皆額とな…