2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

落とし所

【承前】 「プロ」の現代美術作家というのが可能なものなのかどうかは判らない。 大辞泉(Mac OSX「辞書」)で「プロ」を引けば、 プロ 1 《「プロフェッショナル」の略》ある物事を職業として行い、それで生計を立てている人。本職。くろうと。「その道の—…

早生

西国で二つ程展覧会を見た。 一つはこの時期ならではの卒業制作展。もう一つは「プロ」の展覧会であった。果たして現代美術作家に「プロ」という呼称が本当に相応しいかどうかは判らないが、習わしとしては「プロ」と呼ぶ事もあったりするから、ここではそれ…

スペシフィック

【承前】 「優れた」作品は、作品論や作家論を導き出す力があるとされる。それより前に、まずは人々の口の端に上らせる力があるとされる。 確かに「優れた」作品とされるものへの言及は多い。一方で、それが「優れた」作品であるかどうかは別にしても、「話…

マナー

美術館には見る為、それ以前に、そこに入る為に「遵守」するべき「法則」というものがある。 大人には「分別」というものがあり、通常それは既に身に付いているとされる。しかし「元気印」の子供には、まだそうした「分別」が備わっておらず、子供と作品につ…

第三芸術

"Ars longa, vita brevis, occasio praeceps, experimentum periculosum, judicium difficile." 「アルス・ロンガ、ウィータ・ブレウィス、オッカースィオー・プラエケプス、エクスペリメントゥム・ペリクロースム、ユーディキウム・ディッフィキレ」。 古代…

得体

「得体が知れない敵」よりも、「得体を知り過ぎている敵」の方が、遥かに厄介な存在だ。「得体を知り過ぎている敵」に対する戦略こそが、シミュレーションではない上級者編の「戦い」には必要だろう。トラブルの「発生源」に対して「得体が知れない敵」など…

デパート

【承前】 デパートの搬入口から店内に入ったのは一度や二度ではない。その多くは、自分の作品を携えてデパートの定休日に入ったものだ。行き先は店内で美術品を扱うコーナーの事もあれば、一般のテナントの事もあった。 デパートの定休日の搬入口は、商品の…

百貨店

蛍の光が流れ、従業員一同が出入口に立ち、それまでにそこでした事がない程の大量の買い物を、その日に限って実行した客が家路に向かう姿を、深々と頭を下げて見送る。そして最後の客が店外に出た後、シャッターが降り始め、まるで劇場の緞帳が下がるかの如…

道具「セット物」

【承前】 今日、日本人の大多数の人生に於いて、その最初の画材というのは恐らく「セット物」になるのだろう。それはクレヨンであったり、色鉛筆であったり、水彩絵具であったり、場合によってはいきなり油絵具であったりするかもしれないが、いずれの場合で…