2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

理由

まだ、美大の大学院生だった頃の「Lゼミ」での話。 生活臭に乏しい町。この町の住人は、デパートの外商で物を買っているという噂があった。その町の一角にある流行らない喫茶店で、その日のゼミは行われていた。 「君たちが美術を志したのは、どういう理由か…

資産

【承前】「週刊ダイアモンド 9月18日号」による「全国537私立大学」の「『財務状況』ワーストランキング」に上げられた「美術大学」のランキングは下図の通りだ。「美術大学」をピックアップするにあたっては、Wikipediaの「美術大学」の「私立大学」リスト…

窮迫

今週の「週刊東洋経済 10月16日号」の特集は、「本当に強い大学 2010」だ。「2010年版大学四季報 国公立・私立181大学の財務分析を一挙掲載」という「特別付録」の綴じ込み小冊子が付いている為に、通常よりも90円高い780円の「特別価格」となっている。 改…

重責

その「現代美術家」は、現在還暦を過ぎている。30数年前に、この作家が発表し始めた時には、この作家は十分に若く、自身の未来への視界は大きく開けていた。作家人生の「先行投資」の時期。「美術界」の言説もまた、その作家の試みが、やがて「美術史」に「…

スクラップ・アンド・ビルド

日本の書籍の返本率は平均で40%を越しているとも言われている。しかしそれは飽くまで平均値であり、返本率90%以上の書籍はざらにある。一般的な製造業に於いて、返品率40%の商品があるとしたら、それは単に生産の見通しに「失敗」しているとしか思えず、…

プリティ

通常ここでの「展評」は、「固有名詞」を極力出さない方向で書く事にしている。しかし今回のこれは「展覧会」ではなく「常設作品」であり、場所もまた「美術館」や「ギャラリー」ではない。しかも、これらの作者の「固有名詞」を出そうにも、その情報が作品…

非実在作者

今から3ヶ月前に、「FIFAワールドカップ」なるイベントがあった事を覚えている人はどれだけいるだろうか。それが「南アフリカ共和国」で行われていた事を覚えている人はどれだけいるだろうか。そのそれぞれの試合内容がどうであったかを詳細に覚えている人は…