2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

シミュレーション・イズム

半ば「都市伝説」と化した話の一つに、小学校の卒業記念に、卒業生がプールの底に描いたキャラクターに対して、その版権を持つ米国系企業が、著作権違反であるとして訴訟をちらつかせて、結果的にその絵は塗りつぶされたというものがあった。1987年7月10日の…

小品

「小さな作品」について考えている。ウェブ評論誌「批評の庭」を主宰する小金沢智氏のツイートで、「小品」問題が語られていた。 - >たまに思い出す、びっくり発言①>著書が何冊もある某美術評論家T・S氏のこんな主旨の発言:「手で抱えられる程度の作品は「…

理不尽

何故、ゴジラの「エピソード1」は「夜」のシーンが多いのだろうか。それには映画制作上の数々の「事情」もあるだろう事は想像に難くない。要するに、暗ければ「粗が見え難い」という、そうした事情が無いとは言えないだろう。しかしそれは、結果的に「ゴジラ…

樹海

【承前】 「恐怖の形象」を出す事無く、「怪物」を描くシナリオは、例えば以下の様な物になるだろう(以下フィクション、念為)。 - シーン1午前11時。銀座松坂屋。店内は女性で溢れている。そこに血相を変えた一人の女性が現れる。「さっきお宅で買ったバ…

恐怖の形象

数日前の話。日曜日にクルマで移動中、TBSラジオの「爆笑問題の日曜サンデー」を聞いていた。無音に絶え切れなくなった時にチューニングしたりする。太田光氏には芸術系大学卒業生の「典型」を常に感じる。その意味で、太田光氏には何の目新しさも感じない。…

30年分

【承前】今から30年前の神田には「三州屋」という一杯飲み屋があったが、今でもそれは当時と変わらない佇まいで存在している様だ。神田画廊街の展覧会初日は大抵月曜日だったが、その二次会、三次会は、この「三州屋」に雪崩れ込むというケースが多かった様…

神田

今は昔。それは今から30年近く前の80年代初頭に遡る。当時の東京の現代美術シーンの「中心」の一つは、まだ辛うじて「神田」に存在していたと言える。言うまでもなく、その理由の一つは、戦後の日本現代美術界の「巨人」の一人としてカウントされるだろう「…