2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

私的複製

【承前】 汲めど尽きせぬ「位相ー大地」。時と所を問わず、様々な言説のハブになると思わせるところが、美術史に通ずる者をして、「位相ー大地」を「記念碑的作品」と言わしめるところなのかもしれない。そうした「反復」を可能なものとするのが、「歴史的資…

相模原「渦中」

【幕間】 その駅に降り立つと、そこはペデストリアンデッキになっている。この町には事実上「南」しか存在しない。ペデストリアンデッキは「南」にしか伸びていない。「鹿島神社(現 "SHRINE PARK")」のある広大な「北」に入れるのは、駅から「東」へ数百メ…

再制作

【承前】 しかし確かに「再制作」という鉱脈はあった。「位相ー大地」の「再制作」に絡めて、予定していた展開を先送りにして、それを少しだけ書く事にする。気が向けば、それについて、別の機会に幾らか書く事があるかもしれない。いずれにしても、決して論…

位相ー大地

【プロローグ】 「神戸ビエンナーレ2011」で、「現代美術ファン」の関心を引きそうなのは、恐らく「関根伸夫『位相―大地』 再制作プロジェクト2011」という事になるだろう。神戸ビエンナーレの会期そのものは11月23日までだが、この「位相ー大地」のみ10月14…

京都「妖怪」

‘I have never seen angels. Show me an angel and I will paint one.’ "The Oxford Dictionary of Art" から引いてみた。ギュスターヴ・クールベの、有名過ぎる言葉だ。「私は天使を見た事が無い。天使を見せてくれれば、私はそれを描く」。 見た事の無いも…

京都「催事」

「上品會(じょうぼんかい)」というのがある。高島屋の呉服部による、1936年(昭和11年)から始まる(途中戦争による中断あり)高級呉服の展示販売会だ。今年の第59回は、東京の日本橋高島屋で1月28日〜30日に開催されたが、昨年は京都の「仁和寺」が会場だ…

横浜「過去」

【承前】 前回の「記事」から、随分と時間が経ってしまった。あの時は「ヨコハマトリエンナーレ2011」が開幕中であり、今は閉幕してしまっている。 「ヨコハマトリエンナーレ2011」を見たその頃から体調が悪い。不調の原因は判らない。横浜で何かを拾ってき…

横浜「世界」

【承前】 「ヨコハマトリエンナーレ2011」サブタイトルの「世界はどこまで知ることができるか?」。最初、この日本語文だけを見て、「世界はどこまで知ることができるか?」は、「世界」が主語であり、従って「『世界』がどこまで「知る」ことができるか?」…

横浜

【承前】 以前、多摩美術大学八王子キャンパスが建つ、東京・八王子市鑓水周辺の、江戸末期から明治期に掛けての近代史を、ほんの少しだけ調べた事がある。恐らく鑓水の近代史は、横浜の近代史とパラレルであると言っても過言ではないだろう。 遣水にも歴史…